氷晶(ひあき)
性格:能天気で暴れる事が好き
年齢:平安時代あたりから生きてる。
外見年齢は27歳。
名前由来:平安時代生まれなので漢字名。
特徴的な氷のように透き通った瞳と、クールなイメージから氷と晶を合わせて氷晶。
サンプル台詞
「わしか?わしの名等覚えずと良い。そんな事より剣術を磨け。」
「神などに頼るな。神頼みは自身が考えうるだけの努力を全てやり尽くして、やり尽くしてからやれ。」
「現代は11月になっても熱いのぅ…。笠も被れんし、現代人はどうやって生きとるんじゃ?」
「わしは天使なるもの。神の様に何かを与える事も出来ず、人間の様に1度きりの100の生涯を魂燃やして子孫に繋ぐ事も出来ぬもの。ただの死に難い、無駄に長生きするだけ半端者じゃ。わしは、何の為に生まれたんじゃろうな…。」
平安時代に自然に生まれた野良天使。フラフラのらりくらりと現代まで生きてきた。自然に生まれたので、仕える神はおらず、生まれた時から成人の姿だった。武士の生き様や立ち振る舞いを大層気に入り、自身も独学で剣術を磨いて風来坊としてたまに強そうな武士に手合わせを挑んだりした。基本暑さに弱く、暑さ防止と歳を取らない外見を隠す為に常に笠を被って顔を隠して活動している。
そんな生活をずっとしていたある日、貧乏ではあるものの、心優しい大名が収める土地にたどり着いた。最初は旅人として過ごしていたが、大名の娘の荒削りだが美しく、真摯に剣術の稽古に励む姿を見て、気になる様に。
ある日森の清流近くで腕が鈍らない様に剣の素振りをしていた所、大名の娘にその姿を見られ、素振りの時点でもわかる強者の圧に見惚れられて、娘自ら自分に剣の稽古をつけて欲しいと頼まれた。自分が天使だと言う事がバレないように人を避けていたが、前々から自分が稽古をつけたらもっと上達するだろうと思っていたので、自分の事を誰にもバラさない事を条件に、稽古をつけることに。それからは夜中、周りの目を盗んで娘は城から抜け出しては森に行き、氷晶に剣術を学びに行った。
幾重もの月日が流れ、娘が成人の女性となった頃には、すっかり娘は剣術の達人の域に達していた。
剣術を極めた娘に対して、氷晶は「もう教える事はない。わしももう時期、次の地へ旅に出ようと思う。」と告げた。その言葉に目を見開いて驚く娘は、氷晶が旅立つ前夜に、最後に一度だけ会えないかと頼み込んだ。
氷晶が旅立つ前夜、約束通り娘は見送りに来て、そこで最後の稽古として手合わせを申し込んだ。氷晶は娘の申し込みを受け、夜の森の中という、視界も悪くて障害物も多い場所で日が上るまで戦い続けた。結果は氷晶が紙一重の所で勝利した。その後2人は氷晶が旅立つ直前まで、一言も話さなかった。氷晶が旅立つ直前で、やっと娘の方から一言「お受け取り下さい。中は私の死後にご覧になって下さい。どうか、貴方様にご武運を。」の言葉と、1巻の巻き物を差し出された。氷晶はその巻き物を受け取り、娘の自分と関わった部分の記憶を抜き取って次の地へ足を進めた。
その後風の噂で娘の城が落城した事を知り、普段は何事にも動じない氷晶がなりふり構わず娘の城のある土地に戻った。しかし勿論時既に遅く、城主と一緒に晒し首にされた娘の姿を目の当たりにした。氷晶は変わり果てた姿の娘を見て、何の感情も感じさせない無表情で娘の頭をひと撫でし、そっと娘と城主の首を持ち去って、以前娘と共に稽古に明け暮れた山の山頂に丁重に埋葬した。
城主等の埋葬が終わり、ふと娘に以前渡された巻物の事を思い出して、氷晶は近くにあった岩に腰掛けて中を確認する事にした。
巻物の内容は短く、稽古をつけてくれた事への感謝の気持ちと、ずっと氷晶の事を慕っていたという恋文だった。
短いが、娘らしい丁寧でまっすぐな気持ちを綴った恋文を、氷晶は何度も何度も読み返して、読み返しては返事を返す相手はもういない事実に胸を締め付けられ、気がつけば娘からの恋文が濡れて少しだけ文字が滲み、乾いていた。
氷晶は一晩だけ城主と娘の首が眠る山頂で過ごし、翌日には腫れた両目をこじ開けて山を後にした。それからというものの、氷晶は俗世の人間とは必要最低限の交流しか持たなくなった。
あてもなくフラフラと旅を続け、娘が亡くなってから100程の時が流れた頃、旅の途中で自分と同じ名前の神社を見つけた。その神社に興味をひかれ、境内の掃除をしていた神主に神社の成り立ちについて話を聞く事にした。神主は掃除する手を止めて氷晶を事務室に招き入れ、神社の成り立ちを話し始めた。
神主の家系は元々はとある城下町で商人をしていた。そこの土地を収めていた城主は戦さを好まず優しく情に厚い人格者で、城主だからと偉そうぶる事もなく平民の話を聞きによく城下町を足を運んでいたらしい。土地も他の大名の土地に比べれば小さく、決して裕福ではないものの皆よく笑い、他者を思いやれるような、良き町だった。しかし近隣の国で戦が始まった際に、拠点として利用しようと考えた敵勢力に城攻めをされ、城主や武士が最後まで抵抗をしたものの、力及ばず落城した。神主の祖先は「城下町の平民を他国へ逃す様に」と指示を受けた城主の娘と共に逃げ出したものの、敵勢力に見つかり殺されそうになった所を城主の娘が助け、神主の祖先に2巻の巻物を渡して、彼女は平民を逃す為に1人で敵の相手をして足止めをした。勿論多勢に無勢、城主の娘は敵に討たれた。しかし彼女のお陰で、平民は他国へと逃げ延びる事ができた。
そして娘に渡された2巻の巻物の内1つの中身を見ると、大名が生前交流のあった仲間達に、お互いに何かあれば助け合うように同盟を結んでいた事、何かあればこの巻物を見せるようにという、いざという時の平民の受け入れについて記されていた。
もう一つの巻物には、大名の娘が実は自身に剣術を教えてくれた天の御使の事を、こっそり書物に書き記していた。彼女は氷晶と出会ってから御使の事を調べていたものの、あまりの記述の少なさに「もしかしたら御使様は記憶操作が出来るのかもしれない」と考えて氷晶の事を忘れる前に彼の存在を、彼がいたから自分は城を守る剣士となれた事、こうして御使様の事を書き記して後世の世に記録として残してしまう事への謝罪、御使様に心から感謝している旨を巻き物に綴っていた。そして機が来れば御使様を祀る社を建てて、彼がまだ旅を続けていたら、少しでも彼が心休まる場所を作りたいと願いを記していた。娘に助けられた平民達は彼女の願いを叶える為に、小さな社を建てたとの事。
話を聞いた氷晶は神主に礼を言って、事務所を後にした。氷晶は娘がずっと自分の事を思い続けていてくれた事に目頭が熱くなった。その後氷晶はまた旅を続け、たまに社に立ち寄ってはこっそり人の願いを聞いて、努力をした上で真摯に願う人達の願いをこっそり陰ながら手伝ったりしている。
因みに現在は笠を被ると職務質問されるので、人には見えないミニリッポを顔付近に飛ばして暑さを凌いでる。
ちゃんと頑張る人の事はそれなりに応援するし、大事な試合前にはこっそりその人の家の冷蔵庫に当たり確定の棒アイスを忍ばせたりする。
本人曰く、「どんなに常日頃から鍛えていても、互角の相手となら最後は運次第だ。…景気付けにはなるじゃろ」との事。